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だれも知らないまちへふたりで

自動

あなたはメガネを食べたことがあるだろうか。俺はない。メガネは食べ物ではないからだ。しかしある種の人々は酒に酔うとメガネを醤油につけたりマドラー代わりにしてカクテルを混ぜたりするのだ。これはメガネを何かしらの食べ物、あるいは食事に必要なものだと認識しているからかもしれない。けれど彼らも普段からメガネをそういうものだと思って生きているわけではないだろう。アルコールに脳を侵され正常な理性を失い、本能・無意識・リビドーが解放されたその瞬間それをそうみなすのだ。
酒はすごい。
なぜならこの世でほとんど唯一の合法的な脱構築のための手段だから。君は酒を飲んで何もかもダメになってしまったことはあるか。俺はない。覚えていないからだ。構造から解き放たれた俺は強い。隠すことがないからだ。どんなことも言うし、トイレに駆け込んで胃の中のものを吐き出すこともできる。俺は強いのだ。一緒に酒を飲んでダメになってしまおう。
みんなには秘密がある。これは聞くまでもない。俺にも秘密がある。でも、秘密にすべきことなんて一つもない。俺が自分の話をできないだけなのだ。ブログを書くことでそういう自分の話ができるような人間になろうと思っているのかもしれないが、その目論見は見事に外れ、俺はこうやって何も考えずにただタイプするだけのブログ更新機械になってしまったのだ。
君たちは何フェチでしょうか。俺は音フェチ。水とかスライムのちゃぷちゃぷしてる音とかが好きです。これは言わなくていい秘密だった。