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だれも知らないまちへふたりで

このブログについて

このブログについて、と述べるとき、私はこのブログについて述べることを定められる。他のどのブログでもなく、このブログについて、私は述べなければならないのだ。
しかし私がこのブログについてと述べるとき、このブログがどのブログであるかは明言していない。たまたま私にとってのこのブログが”この”ブログだっただけで、あなたにとってのこのブログが、このブログであるとは言い切れない。

あなたが見ているのは、本当にこのブログなのだろうか?
私が見ているのはこのブログで間違いない。なぜなら、あのブログでもそのブログでもないからだ。しかしそれが同時にあなたにとってもこのブログであることを保証するものでは、決してない。あなたにとっては、このブログがあのブログやそのブログである可能性は、私は否定できないのだ。

私が世界に接続するチャネルとして、このブログは他のブログではない唯一のものだ。このブログを通して世界とつながり、世界へわたしを投影する。その意味において、このブログは世界にたった一つのブログであると断言できる。
あなたにとってはこの限りではない。はたしてあなたは、どのブログを見ているのか?
このブログには名がある。名があり、コンテンツがある。あなたはその名を見て、コンテンツに触れる。私が投影した通りにこのブログが見られているか、それが問題なのだ。
この問題は決して解決されない。
あなたがもし私が投影した通りのこのブログを見ていないとしても、あなたがそれを私に伝えたとき、私には何らかの形で「投影した通りのこのブログ」として解釈していまっている可能性があるからだ。私とあなたの間において、このブログについての共通了解は、永遠に得られないだろう。

しかし私はこのブログを続けるしかない。上にも書いたように私にとってこのブログは”この”ブログであり、唯一のこのブログであるからだ。
このブログが他のどのブログでもないことを、私のみが言い切ることができる。このブログは、このブログである。



※ブログを「わたし」に読み替えて読んでください。