film.

だれも知らないまちへふたりで

みんなしね

死にたさと殺したさと死んでほしさはそれぞれ意味が違う。

すばらしい曲やどうあがいても勝てない人に出会ったときは死にたくなる。
理不尽なことを言われたり理解できない怒られ方をしたときは殺したくなる。
そして、時々みんな死んでしまえばいいのにと思うことがある。
そのときの僕の気持ちは本当にドロドロしていて、どこかに発散してしまわないといけない。そのきっかけはわからない。わかるのはこの気持ちが生まれるときは誰も悪くないということだけだ。
でもむしろそういう気分のときの方がいい文章を書けることがある。というか、そういう気持ちがない限り何かを書きたいと思うことがない。

そういう意味で神聖かまってちゃんが「みんなしね」というアルバムを出したのは神聖かまってちゃんがあのアルバムで全部出し切ったからなのかもしれない。
僕はあの二枚のアルバムをタワレコで聴いて本当にしんどくなって、それ以降のかまってちゃんの曲は一、二曲聴いているかいないかというところ。


意思のないことばの羅列 あざ笑う声は遠く

 


という歌詞、半端なくないですか?しかもこの曲のタイトルが「風化する教室」とかいうまたとんでもない文字列だからすごい。
あのめっちゃこわいジャケットからこんな曲が出てくるなんて誰も想像できない。

きのこ帝国のアルバムは全部名盤説を僕は推していきたい。
一曲一曲の完成度ももちろんたかいし、東京なんかはずっと語られる名曲だと思うけど、「フェイクワールドワンダーラント」「eureka」「渦になる」というアルバム単位で聴いたときに迫ってくるものがすごい。
アルバムがすごいというのはサカナクションとかpeople in the boxにも言えるんだけど、きのこ帝国のそれはちょっと違っている。
前の二つは重い小説を読んだあとのような、長い劇を見たあとのような気分になる。ああ…という感じ。うまくいえないし音楽的な用語も全く知らないのでこれで伝わってほしい。
一方きのこ帝国を聴いた後はもっとほっとする感じがある。寒い日に家に帰ってきてあったまっているときとか、日々の何気ない会話で笑ってるときのような、変化のない日常のちょっとした喜びを切り取った感じ。わからんな、これ。

サカナクションやピープルのアルバムを聴くときは気合いをいれないとダメなんだけど、きのこ帝国はなんとなく流せるというか、口ずさめる。映画を見に行くのと家でラジオを流してるときの心の違い、が一番しっくりくるのかも。

#わかる人RT