こんな街抜け出してしまおうよ

だれも知らないまちへふたりで

伝えたいことについて。

年明けてから結構忙しすぎじゃないですか?僕だけ?


さて、今回は前回の記事にも関連する話を書きます。
前回の記事で僕は「書くことはないが、書くしかない」という趣旨のことを書きました。

でも、それって本当なんだろうか?
ことばにし続けるしかない、何かを届け続けるしかないと言ったけど、実はそんなものは幻なんじゃないか?
と思うこともあります。2年ぐらい前は結構「もう何も書きたくない」と言ってたのですが、そのときはもう書かなくていいや、本当に言いたいことなんて見えないんだと思ってました。僕の技術の問題でもありますが。
今はそうでもなくて(それでも時々はもういいやってなる)自由に書きたいときに書き言いたいときに言えばいいねって感じで過ごしてたのですが、最近であった曲に衝撃を受けました。

きのこ帝国の「海と花束」という曲です。
のっけからとんでもないことを言います。

伝えたいことなど/とっくのとうにない/錯覚起こしてる/ただそれだけなんだよ


 これは本当にびっくりした。
言いたいことはもうありません、みたいなことを言っている歌詞は何度か見たことがあるんですけど、その理由に言及した曲は知りませんでした。(こういう歌詞を知っている方がいたら、ぜひ教えてください。いろいろ聴いてみたいので。)
きのこ帝国によれば、伝えたいことはとっくのとうにないのです。彼らはもう7,8年バンドとして活動しているけれど、それは錯覚を起こしているだけなのだ。

このあとに

ごめんね/ごめんね/これでもう忘れよう

と続きます。私たちは何かを伝えてきたかもしれないけれど、この曲でそれももう忘れてしまおう、ということでしょうか。
すごいですね。何かを表現したり伝えたりする手段として音楽をとっているのに、その根本を否定してしまっている。
でも彼らは2015年現在、活動を続けています。「東京」というタイトルにふさわしい名曲を生み出しています。少し前に「あいつをどうやって殺してやろうか」と歌っていたとは思えないほど穏やかになりました。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、この「海と花束」が含まれたロンググッドバイというCDは、何かの転機だったのかも。

そしてこの曲の一番すごいなと思ったところは、「伝えたいことなど~」を、サビで使っていることです。本来、そこにはもっとも乗せたいメッセージがくるので、「伝えたいことがない」「錯覚をおこしているだけ」ということが伝えたい、ということになります。なんじゃそりゃ。

でもそういうよくわからない事態になるのは仕方がない。もう何も書くことがない、伝えることがないというのは、誰かに伝わるまでわかってもらえることはないから。
この曲を聴いて、僕が何も書きたくない、というのは一種のポーズでしかなかったのだろうと思いました。いつか僕もサビでこれが言えるようになりたい。堂々と伝えられるようになりたいですね。


きのこ帝国 - 海と花束 (MV) - YouTube


きのこ帝国 - 東京 (MV) - YouTube