film.

だれも知らないまちへふたりで

書き物

街並み

高さ何メートルから落とせば愛の塊は砕けるのか。何気圧で涙は分散されるのか。そもそも流すべき涙などあるのか。吐き出すべき感情などあるのか!ないとしたら俺は何のためにこれを書いているのか。ミャンマーの荒野を歩く少女の心とシンクロして、その風景…

朝電車に乗ったら

朝電車に乗ったら 毎日ほぼ同じ時間に家を出て、毎日ほぼ同じタイミングですれ違うサラリーマンを意識しないところで覚えてしまっている。信号の変わるタイミングもなんとなく知っているので、このぐらいの速度で歩いていれば点滅中にわたり終えられるだろう…

星間はがき

『拝啓 渚さま 寒気のきびしい日が続いていますが、お変わりありませんか。 と少し恰好つけて始めてみたけど、そっちの季節はわからないね。 さらにこっちはずっと冬なので、寒気のきびしい日がずっと続いているらしいです。私はドームの外に出ないからわか…

善なるひき逃げ

右に曲がるべきだった。と23時のニュース番組で、ゲストのどこそこ大学の教授が言った。いやいや、そっちには小学生が2人もいたんですよ!と返すのは、大御所芸能人。 画面下部にはテロップで「自動運転による死亡事故 人工知能の正義とは」と表示されている…

行列のできる

今日はお昼に行こうと外に出たら強いにわか雨が降っていて、傘を持っていなかったので5分ほど行ったところにあるカレー屋にすらいけず、いくつかオフィスビルを渡って屋内にあるところで済ませようと思ったのだけど、飲食店街に着いた僕が見たのはそれはそれ…

ひまわりの海

・ひまわりの海 寒いよね。 まだ大丈夫だよ。 でもさ、こうやって、「寒いね」って言って「まだ大丈夫だよ」って返ってくるような関係はあたたかいよね。 くせー。今寒くなったから早く帰ろうよ。 寒すぎる。いっそ南半球に飛んでいっちゃいたいぐらい。 な…

エスカレーターにモノ申す

エスカレーター、あれはよくない。地域によって右寄りだの左寄りだのルールが決まっていてややこしい。さらにこのことばは政治的な意味を含んでいるようにもとれる。「大阪は右寄りなんだって」などと言えば、まるで大阪が街を上げて右翼なのかのように聞こ…

The last man

・The last man 「これ、目にいいんだって」 昼休み、食堂で食事中の私の隣に座った近藤が差し出したのは一枚のDVDだ。ジャケットには海を背に仁王立ちをして いる外国人風の男の風景が載っていて、目に良さそうには見えない。タイトルは「The last man」「…

お菓子の宇宙船

・お菓子の宇宙船 ここはお菓子の宇宙船。 船体はチョコレート、両翼はクッキー。スポンジの椅子にキャンディーの操縦桿。モニターは金平糖でできていて、スイッチはカラフルなラムネ。エンジンはコーラと甘いオレンジジュース。もちろん、パイロットの宇宙…

自動

あなたはメガネを食べたことがあるだろうか。俺はない。メガネは食べ物ではないからだ。しかしある種の人々は酒に酔うとメガネを醤油につけたりマドラー代わりにしてカクテルを混ぜたりするのだ。これはメガネを何かしらの食べ物、あるいは食事に必要なもの…

鼻通りがよくなった男

こんにちは。なんと、2016年に入り初の更新です。僕は何をしていたのか?そんなことはどうでもいいのですが、最近花粉が徐々に舞い始めているように思います。僕はほぼすべての鼻や目にくるアレルゲンに反応してしまう超敏感体質なことが先日やっと判明…

小話を書いています。

「海」砂糖を入れようとして間違えてコーヒーに塩を入れてしまった息子が、それを飲んで「しょっぱい」と苦い顔をする。もう一度確認するように一口飲み、「やっぱりしょっぱい!」と声をあげた。砂糖と塩の容器が似ている上に並んでいたことも重なり、普段…

グッドモーニング腐乱死体

目覚めるとベッドの隣で死体が転がっていた。見てすぐにわかったわけじゃないけれど、声をかけても反応しなかったので、体に触れてみると冷たかったので、やっぱり死体だったのだろう。一瞬顔が引きつったけどまあこういうこともあるだろうと考え直して、私…

夜をゆく

夜行バスにはさまざまな人が乗っている。くたびれたサラリーマン、旅行らしい学生の集団、就活生、帰省する人、目的がよくわからない人、作業着のまま乗っている人。親より年上の人が乗っているのを見ると、どこに向かうのだろうかと少し疑問に思う。 昨日乗…

心が晴れないときのための自動筆記

かなしみは続く月がのぼる 暗闇でくねくねと裸の女 目が覚めて行先を考えてる 隣に女満足裸の女 遠くに聞こえるうるさいバイクをとめるすべを知らない ことばでは聞こえない音がことばになりことばが音になる 女の裸が音になりことばになりかなしみが聴き取…

スキマ時間に読める即興小説

30分とか1時間とかで書いた即興小説です。暇で暇で仕方ないとき、読んでいただければ幸いです。 「ずっとこのまま」 - 即興小説トレーニング夕日をバックに白衣の男女が雑談をするお話。 「二丁目の神様」 - 即興小説トレーニング 誰かがよりどころとしてい…

※ただし正直者は除く。

嘘はついちゃだめだよって言われてから僕は嘘をつかないように生きてきたのだけれど、ある日たろうちゃんに言われた。「嘘をついちゃいけないだなんて、嘘だよ」って。「嘘ついてもいいの?」って僕が聞いたら、「構わないよ。どんどんつけばいい」「それは…

このブログについて

このブログについて、と述べるとき、私はこのブログについて述べることを定められる。他のどのブログでもなく、このブログについて、私は述べなければならないのだ。しかし私がこのブログについてと述べるとき、このブログがどのブログであるかは明言してい…

ツッコミがヤバい漫才コンビ

こんばんは。今日はツッコミがヤバい漫才師を考えたので、披露します。ボケ「いやー、アツはナツいねー」ツッコミ「夏は暑いねだろ! ていうか、そもそも暑い季節を夏と呼んでいるのだから、『夏は暑い』というのはトートロジーでしかないんだよ! と、いう…

地図だけど質問ある?

「何これ?」「地図」「見ればわかる。何で急に?」「そのペケがついてるところあるじゃん」「うん」「行ってみればいいんじゃないの」「また今度ね」「うん」 彼は私を近くの砂浜に呼んだ。深夜二時のことである。私は重たいまぶたを必死でこじ開けて何とか…

憶えていない男の憶えている話

数年前のことだ。お前つまんねーから死ねよ、ってある友人に言ったら、酒が入ってベロベロのそいつは俺の言った意味はあんまりわかっていなかったけれどけなされていることは理解しているみたいで、ギャーギャーわめきながら俺の胸倉をつかむ。俺も大概酔っ…